だいがくせい

愛知産業大学 通信教育部 建築学科

建築計画学Ⅰ

e-learningのレポート提出に関する質疑応答をみると、採点を催促するトピックばかりが並んでいますが、わたしも例にもれず採点までに2か月以上かかったのであまりギリギリに取り組むのはおすすめしません。ただその分(といっていいのかわかりませんが)採点はそこまで厳しくなかった印象です。

 

第1課題

テキスト中に記載のある住宅の事例を1つ取り上げ、

①選んだ理由

②それが計画された背景

③計画された手がかりとなったもの

④設計にどう活かされたのか

についてまとめ、①④は自分の考えを述べよ

 

どういう意味~~~?となるようなふわっとした題が多いので、やはりQ&Aでも「何を書けばいいですか?」という問いが多いですよね。講評を受けた印象として、わたしなりに解釈した言葉で補足していこうと思います。ちなみにわたしは、第1課題ではル・コルビュジェサヴォア邸、第2課題ではユニテダビタシオンを取り上げました。

 

①例えば、かっこいいと思った。有名だから。そんな理由をそれらしく書けば良さそうです。わたしも建築を勉強する前から知っていた建築物なので、今回深く掘り下げて学習してみたかったうんぬんと書きました。

 

サヴォア邸であれば、近代建築が生まれ、建物を建設するということにたいする考え方や、建設のされ方が変わっていく時代背景があります。その中でコルビュジェは「ドミノシステム」や、これを通じた「近代建築の五原則」を提唱し、この考え方はサヴォア邸設計の背景となっています。

 

③住宅である以上そこへ住む家族から依頼を受け設計されています。どんな人物がそこへ住むのか。今でいう「注文住宅」であるわけですから「こんな家に住みたい」「こんな暮らしがしたい」という思いがあり、これを手がかりにして、建築家はその住宅を設計しています。

 

サヴォア邸は、②で述べた「近代建築の五原則」が顕著に示された住宅です。五原則と照らし合わせ、どこがどのように反映されているのかを図面や写真からくみ取っていくと良いと思います。また、③で述べた依頼主からの思いがどこに表されているのか等もここで述べることができます。

 

こんな感じに詳しく考えてみると、どの住宅を取り上げる予定であってもある程度書きやすくなるのではないかと思います。有名なものであればあるほど、依頼主や示された建築思想などは掲載されているものですので、いろんな著書に掲載されているようなものを選ぶと良さそうです。

 

第2課題もほとんど同じ設題ですが、集合住宅となると依頼主は個人ではありませんので着眼点が変わってきます。また個人的な解釈ではありますが、述べていきます。

 

②採用された計画方式とその理由

どのような設計手法や建築理論が、何のために用いられたのかということを述べます。ユニテダビダシオンの場合は「ドミノシステム」が用いられておりますが、出来上がったピロティはデザインのためだけの空間ではありません。また各部屋のサイズ決定には「モデュロール」が採用されています。

こういった、建物を計画する(設計する)にあたって使われた建築家の理論や手法を説明していきます。また、集合住宅として「メゾネット」や「ブリーズソレイユ」などの建築要素についても述べていくのも良さそうです。

 

③設計された手がかりとなったもの

集合住宅が建つと、そこにはたくさんの家族や独身者が集うわけですが、なぜそこへ大量の人が住まなければならないのか、という理由が依頼主の依頼理由に繋がります。街づくりの一環なのか、もしくは工業地帯でそこに勤める作業員のための設備なのか。こういった設計理由や、この理由が生まれた時代背景、また街づくりであれば理想都市などの思想背景にも結び付けることができます。

 

こんな感じだと多少「何を書けばいいの?」問題は解決するのではないでしょうか。少しでもお役に立てればうれしいです。